謝 辞
第32回福岡県臨床工学会を終えて
第32回福岡県臨床工学会
学会長 後藤陽次朗
社会医療法人共愛会 戸畑リハビリテーション病院 臨床工学科
2025年6月14日・15日の2日間にわたり開催いたしました「第32回福岡県臨床工学会」は、皆様のご支援とご協力のおかげをもちまして、盛会のうちに無事終了することができました。北九州における本学会開催にあたり、ご参加くださった皆様、ご講演・ご発表いただいた先生方、そして準備から運営に至るまでご尽力いただいたすべての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
今回のテーマは「究極の安全 ~Lead with Safety~」でした。
医療において安全は根幹であると同時に、不断の挑戦でもあります。私たち臨床工学技士は、医療機器の専門家であるとともに、安全文化を支える存在として、見えにくいリスクに光を当て、限界まで安全性を追求することが求められています。
本学会では、「究極の安全とは何か?」という根本的な問いに真正面から向き合い、イブニングセミナーでは松田晋也先生をお招きし、医療安全の本質に迫る貴重なご講演をいただきました。さらに、翌日の特別講演では、高気圧酸素治療の過去・現在・未来を通じて「守るべき安全」の在り方について、上村秀彦先生と灘吉進也先生より、深い学びと示唆を得る機会となりました。また、多職種連携に焦点を当てたランチョンセミナー、企画セッション、一般演題、学生・若手技士によるフレッシュな発表など、幅広い世代と立場が交差する活発な議論が交わされ、本学会ならではの熱量と一体感を感じることができました。
私は、学会長としての立場を通じて、あらためて「安全は一人では創れない」ということを痛感いたしました。異なる視点や経験を持つ多職種が一堂に会し、対話と共創によってこそ、新たな安全のかたちが見えてくる。今回の学会が、その確かな一歩になっていれば、これ以上の喜びはありません。
そして私が目指す「究極の安全」は、「繋がること」です。
人と人が繋がり、想いが繋がり、行動が繋がる。その先にこそ、医療の安心と安全が育まれていく。そう信じてやみません。
最後に、皆様の今後のご健勝とご活躍を祈念するとともに、本大会が皆様の現場に少しでも新たな視点と勇気を届ける契機となったのであれば幸いです。
来年以降の学会がさらなる高みを目指して発展していくことを願いつつ、これにてご挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。